出産を控えた時期になると、雑誌やSNS、通販サイトには「これが便利!」「育児の必需品!」といった情報が溢れています。
出産準備リストを見て、一つひとつ揃えようとすると、気づけば数十点、金額にして数万円に達することも珍しくありません。
しかし、実際に育児が始まってみると、「買ったけれどほとんど使わなかった」「一度しか使っていない」「別のもので代用できた」と感じるケースも多く見られます。
赤ちゃんの成長スピードや家庭の環境によって、“必要なもの”は人それぞれ異なるためです。
本記事では、実際に多くの家庭で「買って良かった」と支持されているアイテムと、「思ったほど使わなかった」と感じられやすいグッズを整理します。
さらに、購入前に失敗しないための選び方のポイントも紹介します。
限られた予算の中で本当に必要なものを見極め、後悔しない買い物をするための参考になれば幸いです。
買ってよかった!育児をラクにしてくれる「本当に必要なもの」
まずは、育児の負担を減らし、毎日の生活を快適にしてくれる“本当に必要なグッズ”を紹介します。
これらは「あると助かる」「使う頻度が高い」と多くの家庭で支持されているアイテムです。
抱っこ紐(スリング・ベビーキャリア)
抱っこ紐は、育児グッズの中でも特に活躍するアイテムのひとつです。
家事をしながら赤ちゃんを抱っこしたり、外出時に両手を自由に使えたりするため、使用頻度は非常に高いです。
腰や肩への負担を減らすためにも、体型や使用シーンに合ったタイプを選ぶことがポイントです。
おむつ・おしりふき・授乳クッション
おむつやおしりふきは、赤ちゃんの成長に関わらず毎日使う消耗品です。
特におしりふきは、おむつ替え以外にも手や口を拭く際など、多目的に使えるため多めに準備しておくと安心です。
また、授乳クッションは授乳時の姿勢を安定させ、腕や腰への負担を軽減します。
授乳期を過ぎても、赤ちゃんのお座りサポートや寝かしつけに使えるため、長く活用できるアイテムです。
電動鼻吸い機・哺乳瓶消毒器などの時短アイテム
赤ちゃんが風邪を引いた際や、哺乳瓶を頻繁に使う家庭では、時短アイテムが大きな助けになります。
電動鼻吸い機は手動タイプよりも吸引力が強く、短時間でケアが可能です。
哺乳瓶の消毒も、電子レンジタイプや自動消毒器を使えば、手間を大幅に減らすことができます。
「少し高いけれど買って良かった」という声が多いアイテムです。
ベビーカー・チャイルドシートなど長く使えるもの
外出が増える時期には、ベビーカーやチャイルドシートは欠かせません。
購入する際は、「使用期間の長さ」「操作性」「収納スペース」を重視するのがおすすめです。
必要に応じて中古やレンタルを検討することで、コストを抑えながら品質の高いものを使うこともできます。
意外と使わなかった!買わなくても困らないアイテム
次に、育児グッズの中でも「買ったけれどあまり使わなかった」という声が多いアイテムを紹介します。
もちろん家庭や赤ちゃんの性格によって異なりますが、使用期間が短い・代用ができるものは注意が必要です。
ベビーベッドやベビー布団セット
一見必要に見えるベビーベッドですが、実際には「添い寝派」「リビングで過ごす時間が長い」家庭ではほとんど使われないこともあります。
赤ちゃんが動き出す時期には使わなくなるケースも多いため、レンタルや中古の利用も選択肢です。
また、ベビー布団セットも大人用の布団やバスタオルで代用できる場合があります。
ベビー服のサイズ違いを大量購入
出産前に小さな服をたくさん買ってしまうと、すぐにサイズアウトしてしまうことがあります。
赤ちゃんは予想以上のスピードで成長するため、必要な分だけを少しずつ買い足すのがおすすめです。
季節の変わり目も意識し、今必要なサイズと素材を選びましょう。
ベビーバス・湯温計などの専用アイテム
新生児期は便利でも、使用期間はごく短いのが特徴です。
ベビーバスはキッチンシンクや大きめの洗面器で代用できることも多く、湯温計も手の感覚で十分対応可能です。
安全性に配慮しながら、**「専用グッズでなければならないか」**を一度考えてみると良いでしょう。
おしりふきウォーマー・哺乳瓶ウォーマー
冬場は便利に感じることもありますが、実際には短期間しか使わないことがほとんどです。
お湯で濡らしたタオルや湯せんで代用できるため、「必須」ではなく「あると便利」レベルのアイテムといえます。
買う前に考えたい!失敗しない育児グッズの選び方
便利そうに見えるグッズでも、実際に使うかどうかは家庭環境によって異なります。
ここでは、購入前に確認しておきたい“判断の基準”を紹介します。
SNSや口コミ情報をうのみにしない
SNSやレビューサイトには、「これが神アイテム!」という投稿が多く見られます。
しかし、それが自分の生活に合うかどうかは別問題です。
情報を参考にしつつも、**「自分の生活に必要かどうか」**を基準に考えることが重要です。
生活環境と赤ちゃんの個性に合わせて選ぶ
育児スタイルは家庭によってさまざまです。
マンション住まいで収納スペースが限られている場合や、ワンオペ育児が中心の場合など、環境によって必要なアイテムは変わります。
また、赤ちゃんによって好みも異なるため、**「買ってから合わなかった」**ということも珍しくありません。
そのため、すべてを一度に揃えるのではなく、使いながら買い足すのが賢明です。
「まずはレンタルやお下がりで試す」という選択肢
短期間しか使わないものや高価なアイテムは、レンタルやお下がりを活用するのがおすすめです。
実際に使ってみてから購入することで、「思っていたのと違った」という失敗を防げます。
フリマアプリや地域コミュニティを活用すれば、状態の良いものを安価で手に入れることも可能です。
本当に必要なのは「便利さ」より「安心と続けやすさ」
育児グッズ選びで最も大切なのは、「便利そうだから」ではなく「自分にとって続けやすいかどうか」という視点です。
たくさんのアイテムを揃えるよりも、毎日安心して使えるものを厳選することが、結果的に家計にも優しく、育児のストレスを減らします。
また、必要なものは赤ちゃんの成長とともに変化していきます。
すべてを一度に完璧に揃えようとせず、実際の生活の中で「今これが必要だ」と感じたときに購入することが、最も失敗の少ない方法です。
本当に必要なのは、グッズそのものではなく、「安心して育児を続けられる環境」を整えることです。
家計を無理に圧迫せず、自分と赤ちゃんにとって心地よいスタイルを見つけながら、穏やかな毎日を過ごしていきましょう。

