育児と仕事の両立は、想像以上に時間と体力を消耗します。朝は子どもの準備と自分の身支度を同時にこなし、日中は業務に集中し、帰宅後は食事の支度や片付け、入浴、寝かしつけとノンストップで動き続けるケースが少なくありません。
特に小さな子どもがいる家庭では、予定通りに物事が進まないことが日常的に起こります。その影響により、スケジュールに余白がなくなり、「気づけば一日が終わっている」「自分のことはすべて後回し」といった状態に陥りやすくなります。
こうした状況が続くと、心身の疲労が蓄積し、モチベーションの低下やイライラの原因にもなります。そのため、自分時間を意識的に確保する工夫は、贅沢ではなく必要不可欠な生活習慣といえます。
忙しくても自分時間を生み出すための考え方と優先順位
自分時間を確保するためには、まず時間に対する考え方を見直すことが重要です。最初に意識したいのは「まとまった時間を確保しようとしない」ことです。育児中はまとまった1時間を捻出するのは難しく、かえってストレスになる可能性があります。
理想的なのは、5分や10分といった短い時間を細かく積み上げていく方法です。短時間でも自分のために使える時間があるという感覚が、心の余裕を生み出します。
次に大切なのが、すべてを完璧にこなそうとしない姿勢です。家事、仕事、育児のすべてを高い水準で維持しようとすると、必ず無理が生じます。優先順位を明確にし、「今はやらなくても困らないこと」は意識的に手放すことが必要です。
また、自分時間を「後回しのご褒美」として扱わないことも大切です。すべてのタスクを終えた後に時間が残っていれば使うという考え方では、いつまで経っても時間は生まれません。予定の中に最初から自分時間を組み込むことが習慣化のポイントとなります。
会社員ママが実践しやすい自分時間確保の具体的時短テクニック
ここでは、忙しい日常の中でも実践しやすい具体的な時短テクニックをご紹介します。
1つ目は「家事の自動化」です。ロボット掃除機や食洗機、乾燥機付き洗濯機などを活用することで、手作業の時間を大幅に削減できます。
2つ目は「やらない家事を決める」ことです。毎日掃除機をかけない、アイロンがけをしないなど、ルールをあらかじめ決めておくことで精神的な負担が軽減されます。
3つ目は「作り置きと冷凍ストックの活用」です。週末にまとめて下ごしらえをしておくことで、平日の調理時間を短縮できます。
4つ目は「朝の準備を夜のうちに済ませる」ことです。子どもの着替えや保育園準備、バッグの中身を前日にセットしておくことで、朝の混乱を防げます。
5つ目は「ながら家事を意識する」ことです。お湯を沸かしている間にシンクを拭くなど、スキマ時間を有効活用できます。
6つ目は「通勤時間や移動時間を自分時間に変える」ことです。音楽を聴く、電子書籍を読む、ポッドキャストを視聴するなど、短時間でも気分転換が可能になります。
7つ目は「完璧な睡眠環境を目指しすぎない」ことです。早く寝なければと焦るのではなく、短時間でも質の良い休息を取る意識を持つことが大切です。
8つ目は「スマートフォンの使い方を見直す」ことです。無意識にSNSを眺める時間を減らすだけでも、自分時間は自然と生まれます。
まとめ
育児と仕事の両立は、想像以上に心身への負担が大きいものです。しかし、自分時間を確保することはわがままではなく、日々の生活を安定させるために必要不可欠な要素です。
短時間でも「自分のためだけに使える時間」があることで、気持ちの切り替えがしやすくなり、育児や仕事にも前向きに取り組めるようになります。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、無理なく続けられる仕組みを整えることです。便利なサービスや家電を積極的に取り入れながら、自分に合ったペースで時間の使い方を工夫していくことが重要です。
小さな工夫を積み重ねることで、忙しい毎日でも自分時間は十分に確保できます。できるところから少しずつ取り入れ、心に余裕のある暮らしを目指してみてください。
